汚泥処理

概要

汚泥の発生は日本では年間7,500万トンの有機汚泥が発生していると言われています。
汚泥処理の主な方法は、有効利用と減容化になっています。
有効利用は、肥料、燃料、還元剤、脱臭剤等に活用されています。その処理方法としては乾燥、炭化が連続で大量処理が出来最も有効な手段と考えています。
焼却のように大量の排ガスや焼却灰を排出せず、ダイオキシン類の発生も少なく、安全な炭化物の生産が可能です。
減容化についても、乾燥、炭化が有効な手段となります。
水分除去後、有機物を炭化により減量化しますので有機物は殆ど除去できます。
いずれの方法にしても、汚泥の水分を除去することが必要になってきます。
水分除去の方法としては、脱水、蒸発がありますが蒸発はエネルギーコストが掛かります。そこで、当社としては、ここに新たな技術として、エネルギーコストを掛けず水分を除去する方法、いわゆる二次脱水という方法の研究開発を進めています。

二次脱水

水分除去の手段として、燃料を使用せず減量化する方法があります。
電気浸透式脱水機が、最も有効な手段で電流を流して加圧することにより水分除去が可能となります。
水分除去の計算は、次式であらわされます。
原料処理量(X)、原料水分(S1)、除去後水分(S2)として除去水分量は
W=X*(S1-S2)/(1-S2)
となります。例えばX=1000kg、S1=85%、S2=70%の場合
W=1,000*(0.85-0.7)/(1-0.7)=500kg
なり除去後の出来高(Y)は
Y=X-W=1,000-500=500kg
となり約半減します。

乾燥機

乾燥機は、大量に水分除去を手段として最も多く使用されています。
乾燥方法としては、直接熱風を回転円筒内に入れて乾燥する方法と、間接的に回転円筒を加熱し熱交換後温風を回転円筒内に入れて乾燥する、間接・直接加熱乾燥機があります。他に。天日、蒸気、電気ヒーターを使用した乾燥機もあります。
乾燥の場合、能力は水分蒸発量で表されます。1時間当たり何kg蒸発させる装置であるかを決めます。また、蒸発させるためには蒸発潜熱が必要になります。
蒸発潜熱のみの熱量では乾燥できませんので熱風乾燥の場合、熱交換後の熱風の持ち出し熱量、放熱等加味して乾燥効率で割って必要な熱量を計算します。
例えば、70℃における蒸発潜熱(qj)=557kcal/kg、乾燥効率(η)=35%、水分蒸発量W=500kg/hとした場合、必要熱量(q)は
q=W*qj/η=500*557/0.35=795,714kcal/h
概略計算では乾燥に必要な熱量は
q=(1,500~1,600)*W(kcal/h)
となります。
必要な熱量は、排熱、廃蒸気を使用することも可能です。

炭化炉

炭化の場合、原料水分が30~40%以下(原料組成によっても異なります)であれば炭化時に発生する乾留ガスの燃焼によって必要熱量は賄えます。それ以上の水分の場合は助燃剤が必要となります。
他に、乾留ガスを有効利用する為に電気ヒーター加熱により炭化する場合もあります。
近年、動物の死体(豚等)丸ごと処理する方法としてバッチ式炭化炉の需要が拡大してきております。
また、炭化品の品質は用途によって炭化温度が異なり自由に設定可能です。
品質は、固定炭素の量で表されます。
燃料炭の場合は、揮発分を多く残して燃えやすくします。
希望の品質を得ることによって炭化製品の量も異なってきます。
熱量計算は、原料名称、処理量、組成を把握することにより計算出来ます。


連続式


バッチ式


電気ヒーター式