炭化炉

有機物(木くず、乾燥汚泥、野菜くず、もみ殻等)を無酸素状態で350℃~600°に加熱します。製品は炭素分を多く含んだ炭となります。
排ガスは、揮発分と一部炭素を含む乾留ガスとなって移出されます。乾留ガスは熱量が高い為燃焼することにより加熱用熱源として使用することが出来、ランニングコストを大幅に低減できます。
また、排ガスは乾留ガスの燃焼のみの為焼却に比べて大幅に減少します。
炭化品は、用途に応じて加熱温度が変更でき土壌改良材から固形燃料にすることも可能です。
乾留ガスは、発電機等の熱源に使用することも可能です。
加熱方式は、乾留ガス燃焼式と電気ヒーター加熱式の2種類あります。
タイプとしては、連続式、バッチ式の2種類があり加熱方式との組み合わせにより、いろいろな方法で炭化が行えます。

炭化原料

(1) 木くず(建築廃材、間伐材、廃パレット)

(2) 汚泥(下水汚泥、し尿汚泥、食品汚泥、農村集落排水汚泥、ペーパースラッジ)

(3) 堆肥(牛・豚・馬・鶏糞、汚泥)

(4) 野菜くず(果実絞り粕、コーヒー、茶粕、弁当かす、賞味期限切れ廃棄食品)

(5) 生活ごみ(一般ごみ、ホテル・食堂・家庭残渣、生ごみ)

(6) 動物の死体(豚、鶏、実験動物等)

(7) その他(紙おむつ、加工品残渣、RDF)

炭化品の用途

(1) 土壌改良材

(2) 床下調質材

(3) 燃料炭

(4) 合金鉄還元用炭材

(5) 脱臭炭

(6) 水質浄化用炭材

炭化品の性能

炭化品の種類

性能

備考

土壌改良材

土壌汚の染に係る環境基準に適合

重金属の含有がないこと

床下調質材

比表面積:300m2/g以上

 

燃料炭

固定炭素:70%以上
揮発分 :20%以上

 

合金鉄還元用炭材

固定炭素:80%以上
揮発分 :20%以下
灰分  :10%以下
塊成品 :30mm以下が25%

固定炭素のバラつきが小
灰分中にAl,Siがないこと
粒径が大

脱臭炭・水質浄化用炭材

比表面積が大、ベンゼン吸着力、よう素吸着力が高

活性炭より性能が低いが出来るだけ高いこと

製品の品質分析

用途

床下下調質剤・還元材

燃料炭

測定日時

2015.1.24

2015.2.10

比表面積(m2/g)

380

7

固定炭素(wt%)

84

72

揮発分(wt%)

14.0

25

灰分(wt%)

2

3

炭化品の溶出試験

計量項目

計量値

土壌環境基準

カドミウム

mg/l

<0.001

0.01以下

全シアン

mg/l

不検出

検出されないこと

有機リン

mg/l

不検出

検出されないこと

mg/l

<0.005

0.01以下

六価クロム

mg/l

<0.02

0.05以下

ヒ素

mg/l

<0.005

0.01以下

総水銀

mg/l

<0.0005

0.0005以下

アルキル水銀

mg/l

不検出

検出されないこと

PCB

mg/l

不検出

検出されないこと

mg/kg

<3

125以下

セレン

mg/l

<0.002

0.01以下

フッ素

mg/l

<0.08

0.8以下

ホウ素

mg/l

<0.1

1以下

含水率

%

6.8

 

pH

7.5

 

乾留ガス燃焼式炭化炉

1.特徴(乾留ガス燃焼式)

(1) 炭化時間が短い(5~30分)ので装置が小さく、大量処理が可能。

(2) 有機物を燃焼させないので灰分の増加もなく歩留まりが高い。

(3) 炭化時に発生する乾留ガスを熱源としている為、化石燃料は立ち上げ時のみで間接加熱の為立ち上げ時間が短い。

(4) 加熱温度は、炭化品の用途により自由に温度設定が可能。

(5) 排ガスは、乾留ガスのみの為焼却炉の比べて非常に少なくダイオキシンの発生も殆どなくクリーンガスとして大気放出される。

2.フローシート

3.仕様

型式

BMT-100

BMT-200

BMT-500

BMT-1000

BMT-1500

全長(mm)

5,300

7,400

10,800

13,200

15,600

全幅(mm)

3,800

4,100

8,700

10,400

11,500

全高(mm)

3,200

3,600

4,200

5,300

6,500

電力量(kW)

5.5

8.3

20

37

62.5

燃料消費量(L/h)

4.5
立上時のみ

8.5
立上時のみ

21
立上時のみ

41.5
立上時のみ

62
立上時のみ

処理能力(kg/h)

100

200

500

1,000

2,000


4.写真

電気ヒーター式炭化炉

1.特徴

(1) 炭化時間が短い(5~30分)ので装置が小さく、大量処理が可能。

(2) 有機物を燃焼させないので灰分の増加もなく歩留まりが高い。

(3) 電気ヒーターによる加熱の為、完全自動化が出来、温度設定が時間単位で設定が可能。

(4) 有機物の少ない原料、乾留ガスを発電等に利用したい場合等の用途に利用可能。

(5) 排ガスは、乾留ガスのみの為焼却炉の比べて非常に少なくダイオキシンの発生も殆どなくクリーンガスとして大気放出される。

2.フローシート

3.仕様

型式

YDD-100

YDD-200

YDD-500

YDD-1000

YDD-2000

全長(mm)

5,100

6,200

7,020

8,600

10,200

全幅(mm)

1,950

2,200

2,920

3,500

4,200

全高(mm)

4,500

4,800

6,100

6,800

8,200

電力量(kW)

67

93

120

220

410

燃料消費量(L/h)

立上時のみ高水分時使用

立上時のみ高水分時使用

立上時のみ高水分時使用

立上時のみ高水分時使用

立上時のみ高水分時使用

処理能力(kg/h)

100

200

500

1,00

2,000


炭化品サンプル

汚泥コーヒー滓
 
茶滓