乾燥機

無機物、有機物を問わず水分を蒸発させて除去する方法の一つが乾燥です。
大量に安全に処理する方法として乾燥は数多く使用されている。
乾燥には水分を蒸発させる為の熱源が必要となる。
熱源としては、太陽熱、化石燃料、電気、蒸気、排熱等あらゆる熱を利用することが可能です。
装置としては、直接加熱方式でランニングコストがほとんどかからないハウス乾燥装置、重油等を使用するロータリードライヤー、間接加熱方式で乾燥時の臭気を完全に除去する無臭乾燥装置、低沸点で乾燥する真空蒸気乾燥装置、熱源に電気を使用する電気ヒーター式乾燥装置等がある。

水分除去について

水分除去の計算は、次式であらわされます。
原料処理量(X)、原料水分(S1)、除去後水分(S2)として除去水分量は
W=X×(S1-S2)/(1-S2)
となります。例えばX=1000kg、S1=85%、S2=70%の場合
W=1,000×(0.85-0.7)/(1-0.7)=500kg
なり除去後の出来高(Y)は
Y=X-W=1,000-500=500kg
となります。

乾燥機の計算方法について

乾燥の場合、能力は水分蒸発量で表されます。1時間当たり何kg水分を蒸発させる装置であるかを決めます。また、蒸発させるためには蒸発潜熱が必要になります。
蒸発潜熱のみの熱量では乾燥できませんので熱風乾燥の場合、熱交換後の熱風の持ち出し熱量、放熱等加味して乾燥効率で割って必要な熱量を計算します。
例えば、70℃における蒸発潜熱(qj)=557kcal/kg、乾燥効率(η)=35%、水分蒸発量W=500kg/hとした場合、必要熱量(q)は
q=W×qj/η=500×557/0.35=795,714kcal/h
概略計算では乾燥に必要な熱量は
q=(1,500~1,600)×W(kcal/h)
となります。
必要な熱量は、焼却炉を併設している場合、排熱を利用することも可能です。

用途

(1) 水処理脱水汚泥

(2) 果実、野菜くず等絞り滓

(3) パルプ滓

(4) 家畜糞

(5) 育苗用培土

(6) 金属含有スラッジ

(7) 堆肥

(8) ビール滓

(9) コーヒー滓、茶滓

直接加熱式乾燥機(ロータリードライヤー)

1.特徴

(1) 大量処理ができ大型化が可能。

(2) 主に臭気の少ない無機系原料の乾燥に多く使われる。

(3) 臭気を燃焼させる為の燃焼炉及び脱臭装置が必要。但し、脱臭後の排熱を一部循環して利用することは可能。

(4) 排ガスの一部を循環することにより乾燥効率は大幅にUPします。

2.フローシート

3.仕様

型式

BRD-150

BRD-300

BRD-500

BRD-1000

BRD-2000

BRD-2500

全長(mm)

7,600

8,000

8,600

10,500

12,000

14,500

全幅(mm)

2,215

3,500

3,700

4,600

5,800

7,200

全高(mm)

2,270

3,200

3,600

4,500

4,600

5,200

電力量(kW)

11.5

18

26

52

102

137

燃料消費(L/h)

17

42

55

110

219

275

処理能力(kg/h)

150

300

500

1,000

2,000

2500


4.写真

間接・直接加熱乾燥機

1.特徴

(1) 間接・直接加熱の為、乾燥時のガス量が少なくて済み、燃焼脱臭の排熱を利用するので脱臭を含めた乾燥効率が良い。

(2) 臭気は燃焼脱臭で行うため、完全に熱分解ができる。

(3) 乾燥製品は、重油ミスト等燃焼ガスとの接触がないため製品の品質がよい。

2.フローシート

3.仕様

型式

BMD-150

BMD-300

BMD-500

BMD-1000

BMD-1500

BMD-2000

全長(mm)

7,230

8,050

8,500

13,000

13,800

14,500

全幅(mm)

6,530

7,800

9,300

12,800

13,000

13,500

全高(mm)

3,180

4,500

5,800

6,800

7,500

8,200

電力量(kW)

11.3

13.8

20

60

82

125

燃料消費(L/h)

21

41

69

137

206

275

処理能力(kg/h)

150

300

500

1,000

1,500

95


4.写真